●AMD、AMDロゴ、K6、Duron、Athlonならびにその組み合わせはAdvanced Micro Devicesの登録商標です。
●現在作成中のところがありますが、許してください、少しずつ気長にやります。

Am8086,Am1086,Am80286

●Am8086/Am8088

Intel 8086/8088の命令・ピン互換のセカンドソース品の16bitCPUでAm8086-1(10MHz)やAm8086-2(8MHz)があり、省電力型のC-MOSタイプのものはAM80C86のように型番にCが入ります。
8086はトランジスタ数で約129,000個のCPUで、表示が8083-2が8MHz、8086-1が10MHz駆動でした。データ転送は16ビット、メモリーアドレスは20ビットで1024KB(2の20乗)のメモリー空間を管理できるCPUでした。また、マイクロソフトのDOSも8086上で動くように開発されたOSであるため1024KBのメモリーから、ハードが使用するメモリーを差し引いた、約640KBで動作することになりました。このため、この後登場する286のようにアドレスが24ビットで16Mのメモリー空間を扱えるCPUでもDOSを使用する限り高速な8086として動作していたということになりました。
1Mbytesのアドレス空間全体をまず「セグメント」と呼ばれる最大64Kbytesの領域に分け、さらにその中の特定のバイト位置を「オフセット」を使って指し示す。最終的な物理アドレスは、常に、セグメントとオフセットの2つを組み合わせることによって求められる。セグメントもオフセットも共に16bitなので、合計32bit幅のアドレスが得られそうであるが、実際にはそうなっていない。まずセグメント部を16倍し(物理的には、16bitのセグメントアドレスの下位に4bit分の0を付加して、20bitのアドレスにする)、そこにオフセットを加える、という形で計算される。これにより、最終的に20bitの物理アドレスが求められる。
8088は内部演算は8086と同等の16ビットで、データ転送を8ビットにした低価格版でした。これは最初にIBM PCに採用されたCPUでデータ転送が8ビットでしたが、周辺チップが8ビットから16ビット 移行していなかったので8088が使用されました。
Terraとしては当時は8086互換CPUの中ではNECのV30が好きでした。NECのVシリーズV30は8086/8088の命令・ピン互換のCPUです。C-MOS形の省電力タイプでNEC独自のカスタマイズによりIntelの8086に比べてはるかに高速化されていました。条件にもよりますが、80286の80%のスピードで動く場合もありました。IntelのCPUのマイクロコードを不正使用していると、Intelから訴えられ、1989年12月の和解条件としてIntelの互換CPUをNECは作らないことになり、NECは惜しいことにx86アーキテクチャのCPUから撤退してしまいました。

Am8086


Am8088


NEC V30
●Am80186/Am80188

Am80186/Am80188は、Intelのi80186/i80188(i80186はIBM-PCなど、また国産機では富士通のFM-16βの初期型で使用されました)の命令上互換CPUです。組み込み用のコントローラとして、PC拡張ボード、制御機器のマイコンチップとして現在でも生産、販売されています。80186はCPUに割り込みコントローラ、DMAコントローラ、クロックジェネレータなどの周辺チップを組み込んだ仕様になっているというのが特徴で、8086に比べて少ないチップ数でシステムを構成できる様になっていました。速度の面では8086に比べ約2倍の速度で命令を実行できますが、80286よりは処理速度は遅いCPUでした。
Am186は、仕様が改良された多くの種類があります。AMDのサイトでも、さまざまな種類のAm186(Am186/EM/ES/ED)を確認する事が出来ます。
写真のAm80C186は、EISAバスのSCSIボードに搭載されているものです(秋葉原大漁エレクトロで購入)。
AMD Am80C186

写真のAm80C188は、SNMP管理スライドイン・モジュール EM3550-SNMPの基盤に搭載の物。基盤は秋葉原TSUKUMOのジャンクコーナーで購入。
AMD Am80C188
●Am80286

Am80286はIntelの16ビットCPUの80286のセカンドソース品です。データバスは16ビットでしたが、メモリーアドレスは24ビットで16MBまでメモリー空間をリニアにのばせるCPUでした。日本ではNEC98および互換機にも使われていた。当時のAMDは286市場においてIntelより多くの市場を保有し、Intelより高速の286も生産していました。80286に関してはIntelはAMDにライセンスを与えていますが、これは、他の陣営にAMDが移らないようにするためで、PCでのx86アーキテクチャーの制覇にAMDは大きく貢献しました。
Am80286も省電力型のAm80C286があり、クロック数は8/16/12/16/20MHzです。また、浮動小数点コプロセッサのAm80C287などが作られました。1985年にintelからi386が発売になった後も、Am80C286は低価格マシンのCPUとして使われ続け、EPSONのPC-286VX(20MHz、90/01発売)に使用されたりしました。
286の特徴としてはメモリー管理にプロテクトモードが採用されたことです。これは利用可能なメモリ空間を拡張するなどの目的で、286で初めて採用されたプロセッサのモードで、このプロテクトモードにより、マルチタスクサポートや仮想メモリ、メモリ保護などの拡張機能が利用できるようになった。
16ビットアキテクチャーの場合セグメントは16ビットですから216で64KBですが、24ビットに拡張しアクセス出来るメモリーを224で16MBにしています。セグメント、オフセットのどちらも16ビットで、セグメントはアドレスの上位に当たり、オフセットはアドレスの下位に当たります。ところがセグメントとオフセットには重なりが有ると言う複雑な事をしてます。
16<---セグメント 16ビット--->0 アドレス下位
重なり合う部分
アドレス上位 16<---オフセット 16ビット--->0
24ビット
80286も8086のセグメントの概念を継承しており、アドレスは16ビットのセグメント・セレクタと16ビットのセグメント・オフセットからできている。セグメントの値は216で8086と同じであるが、80286のプロテクトモードでは、セグメントレジスタの使い方を変更することで、16Mbytesのメモリ空間をアクセスする。プロテクトモードのセグメントレジスタに格納されるセレクタには、リクエスタ特権レベルとテーブルインジケータとテーブルインデックス情報が格納されている(論理アドレスを物理アドレスに変換する情報)。そしてテーブルインデックス値を8倍した値を、該当するローカル/グローバルディスクリプタテーブルレジスタから得られるアドレスに加算し、さらにオフセットアドレスを加算することで、24bitのメモリアドレスが得られる。
ずいぶん前に使っていたNECの98互換機の中をあけてみたときIntelの80286だと思っていたのが、どうも見慣れないロゴがついていた、というのがはじめてみたAMDのCPUでした。
AMD Am80C286

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