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フィブロイン微小構造体(シルクピュア)の特徴
フィブロイン微小構造体の電子顕微鏡写真
フィブロイン微小構造体はアメリカでは特許取得済み。
日本では特許申請中です。
フィブロイン微小構造体に関するデータ
概 要
フィブロイン微小構造体とは
フィブロイン微小構造体は絹タンパク質でできた多孔質の小さな構造体の新規物質で、物質特許および製法特許、機能特許をアメリカ合衆国と日本において特許取得済みです。(フィブロインとは絹たんぱく質の学名です)
フィブロイン微小構造体の特徴
今までは、絹タンパク質だけでできているクリーム状物質はありませんでした。 ところが、フィブロイン微小構造体は絹タンパク質だけでクリーム状を呈する素材です。 しかもゲル化物質などの不純物を含まない、純粋な絹タンパク質だけでできています。
フィブロイン微小構造体の産業上の利用分野
健康食品、化粧品、医療など広い分野で利用可能な素材です。
有用な機能と性質
産業上での利用にあたっての有用な特性
_1.絹タンパク質と水だけでなめらかなクリーム状を呈する。
_2.物質の吸着能が極めて高い。
_3.保湿性が高い。
_4.チロシン含有量が高いため紫外線を良くカットする。
_5.酵素で少しづつ分解される。
_6.熱による滅菌が可能(100℃、30分程度の熱処理では、まったく変化がない。)
_7.凍結乾燥した場合にも壊れることはなく、多孔質構造をよく保持する。
_8.従来のフィブロインゲルに残存せざるを得なかったクエン酸や多糖質、他のゲル化剤などを全く含まない。このため、これらの不純物による悪影響がなく、医薬医療、化粧品、食品、その他の産業へのフィブロインの利用が可能になる。
_9.クリーム状の物質のため、他の物質を均一にまぜることも可能である。
_10.絹本来の性質である酸素透過性をもつ。
_11. 無味無臭のため製品に対する悪影響がない。
クリーム状の物理的性質
_1.フィブロイン微小構造体の集合体は水分を含みクリーム状(フィブロイン流動体)を呈し、濾過などで水を切った状態で約98%の水分含量である。
_2.フィブロイン流動体は、水溶液のようなフィブロイン分子が水に溶解している均一質とは異なり、大きさが平均100μm程度のフィブロイン微小構造体が媒体中に分散した混合体である。このため、なめらかなクリーム状を呈する。
_3.フィブロイン流動体を構成するフィブロイン微小構造体は、立体的な分岐構造をとる多孔性の膜状物質である。また、フィブロイン微小構造体の大きさは100μm程度(平均値)であり、大きさの分布はあまり広くない。
実施例
血中コレステロール低下作用
実施例-1 フィブロイン微小構造体を用いた血中コレステロール低下作用の動物実験
フィブロイン微小構造体を凍結乾燥したものを用いて血中コレステロール低下作用及び肝臓中脂肪の低下の実験を行った。
あらかじめコレステロールを多く含む飼料で7日間飼育した血中コレステロールの高いラット8匹(総コレステロール185mg/dl)をフィブロイン微小構造体の乾燥物を3%含む栄養評価用の飼料(AIN76、東京実験動物株式会社)により7日間飼育した。次いで、各ラットの血中総コレステロール、HDL−コレステロール及びLDL−コレステロールを測定した。肝臓中脂肪は組織切片による顕微鏡観察と分析による脂肪重量により評価した。統計処理して平均値と標準誤差を求めた。
【表1】ラット血中コレステロール(mg/dl)、肝臓中脂質(mg/Tissue
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対照区
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試験区
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総コレステロール
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139±5
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102±6
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HDL−コレステロール
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43±4
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42±3
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LDL−コレステロール
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96±7
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60±5
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肝臓中脂質
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145±4
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110±6
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表から、フィブロイン微小構造体は動脈硬化の原因となる悪玉コレステロールのLDL−コレステロールを低下させるだけでなく、肝臓中の脂質も低下させた。また、顕微鏡による肝臓組織切片の観察所見で試験区の肝臓は細胞中の脂肪滴の顕著な減少が見られた。
以上の結果からフィブロイン微小構造体は消化管内のコレステロールの排泄形態である、胆汁酸塩と結びつき、再吸収を妨げているものと考え、吸着能(コレステロールに対する)の実験を行った。
コレステロール吸着能
試験例-2 コレステロールの吸着能試験
実験例1の動物試験でコレステロール低下作用のあったフィブロイン微小構造体を用いてコレステロール(胆汁酸塩)の吸着能の試験を行った。
試料40mgに0.1M胆汁酸塩(タウロコール酸またはグリココール酸)1ml加えたのち2時間振とうしたのち限外濾過し胆汁酸を測定した。結果は胆汁酸を吸着した%で示した。
【表2】胆汁酸の吸着量(%)
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タウロコール酸
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グリココール酸
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フィブロイン微小構造体
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55±4
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42±3
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大豆タンパク分解物
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44±5
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33±7
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表より、従来コレステロール低下作用の高い大豆タンパク分解物より絹フィブロイン粉末はコレステロールの吸着能が高いことが明らかである。
紫外線カット作用
実施例-3 紫外線吸収作用
クリーム状シルク(フィブロイン微小構造体)、0.5gを2名の健常人の右上腕部約3cm3に塗布した。塗布面を1cm2の円形の穴を開けた黒色の紙で覆い、紫外線殺菌灯(ナショナル15W)を距離30cmで10分間照射した。クリームを塗布しない場合、2名とも皮膚に発赤を生じたが、クリームを塗布した場合には皮膚に変化が認められなかった。これは、クリーム状シルクの紫外線吸収能によると考えられる。また、この試験で、両名にアレルギー反応は認められなかった。
保湿作用
試験例-4 保湿作用
クリーム状シルク(フィブロイン微小構造体)と保湿力があり従来から用いられているコラーゲンの保湿作用を評価した。クリーム状シルク(水分量98%、水分量97%)とコラーゲン由来のゼラチンゲル(水分量98%、水分量97%)の保湿作用を比較した。試料はそれぞれ1.00gずつ小皿に採り、25℃、相対湿度50%のデシケーター中に放置し72時間後に秤量しの保水量をもとめた。
【表3】フィブロイン微小構造体保湿試験
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クリーム状シルク
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ゼラチンゲル
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水分量(97%) No.1 |
0.912 |
0.822 |
No.2 |
0.908 |
0.856 |
No.3 |
0.922 |
0.812 |
水分量(95%) No.1 |
0.955 |
0.872 |
No.2 |
0.932 |
0.883 |
No.3 |
0.945 |
0.899 |
表から、本発明のクリーム状シルクは既存の保湿剤であるコラーゲンよりはるかに高い保湿力を有することが明らかである。
安全性試験
試験例-5 安全性試験
実験例で得られたフィブロイン微小構造体の安全性を確認するために、ラットを用いての動物実験を行なった。
7週齢のWistar系ラットを栄養評価用の飼料(AIN76、東京実験動物株式会社)で4日間の予備飼育を行なった。予備飼育後、試験区は10匹のラットをAIN76飼料のシュークロースを5%フィブロイン粉末に置換したもので3週間飼育した。また、10匹のラットをAIN76で3週間飼育したものを対照区とし、試験区との比較に用いた。試験終了後、ラットは体重、臓器重量、臓器の解剖所見などに変化があるかを明らかにした。 試験終了後の体重は、試験区、対照区とも統計学的に有為な差はなかった。また、肝臓、腎臓、膵臓、胃、小腸などの臓器重量の、体重に対する割合も試験区、対照区で統計学的に差はなく、臓器の解剖所見も試験区、対照区でまったく差は見られなかった。
【表4】臓器重量の体重にしめる割合(%)
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肝臓
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腎臓 |
膵臓 |
胃 |
小腸 |
精巣 |
試験区
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5.29±0.15
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0.81±0.11
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0.21±0.01
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0.33±0.02
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1.79±0.09
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0.82±0.03
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対照区
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5.33±0.16
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0.82±0.12
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0.21±0.02
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0.32±0.03
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1.77±0.12
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0.82±0.03
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追記
以上は公開された特許の広報のデータをもとにしています。フィブロイン微小構造体は水分を含んだクリーム状のままでさまざまな物質に対し高い吸着能を示すのでクリーム状のままで使用すれば凍結乾燥などのコストがかからない状態で、添加した製品にフィブロイン微小構造体の機能を付加することができます。
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